意匠第11回:意匠権を守る!侵害されたときの対処法とリスク管理
意匠第11回:意匠権を守る!侵害されたときの対処法とリスク管理
1. 意匠権が侵害されたら?具体的な対応策
せっかく登録した自社の意匠が、他社によって不正に利用されていると気づいたら、どのように対処すればよいのでしょうか。
1. 証拠の収集
• 侵害品の写真や動画を撮影し、購入記録などを保管しましょう。
• 侵害品が販売されている店舗やウェブサイトの情報を記録します。
2. 専門家への相談
• 弁理士や弁護士に相談し、法的アドバイスを求めましょう。
• 自社の意匠登録情報、侵害品の詳細などを提示し、適切な対応策を検討します。
3. 侵害者に通知
• 専門家の指導の下、侵害者に警告書を送付し、侵害行為の停止を求めます。
• 内容証明郵便などで送付することで、法的証拠となります。
4. 調停・訴訟
• 警告書を送付しても相手が応じない場合は、調停や訴訟という法的手段を取ることも検討します。
• 損害賠償請求や侵害行為の差し止めなどを求めることができます。
注意点
• 安易な対応は禁物: 専門家のアドバイスなしに独断で行動すると、かえって不利になる可能性があります。
• 証拠の重要性: 侵害を立証するためには、客観的な証拠をしっかりと集めることが重要です。
2. 他社の意匠権を侵害しないために
自社の意匠が他社の意匠権を侵害してしまうと、多額の賠償金を請求される可能性があります。
1. 意匠調査の徹底
• 新製品を開発する際には、必ず意匠調査を行いましょう。
• 特許庁のデータベースや専門機関のデータベースを利用して、類似する意匠がないか検索します。
2. 他社の意匠動向の把握
• 競合他社の意匠登録情報を定期的に確認し、自社のデザインとの類似性がないか注意しましょう。
3. デザインの独自性
• 他社のデザインと異なる、オリジナリティあふれるデザインを心がけましょう。
• トレンドを意識しつつ、自社独自の要素を取り入れることで、差別化を図ることができます。
4. ライセンス契約の活用
• どうしても類似のデザインを採用したい場合は、権利者の許可を得てライセンス契約を結ぶことも検討しましょう。
3. リスク管理の重要性
意匠権に関するリスクを最小限に抑えるためには、日頃から以下の取り組みを行うことが重要です。
• 社内教育: 全社員に意匠権の重要性と、侵害のリスクについて教育を行い、意識を高めましょう。
• 専門家との連携: 弁理士や弁護士と連携し、定期的に相談を行いましょう。
• リスクマネジメント計画: 意匠権に関するトラブルが発生した場合の対応マニュアルを作成し、万が一の場合に備えましょう。
まとめ
意匠権は、企業の大切な財産です。意匠権の侵害は、企業のブランドイメージを損なうだけでなく、多大な損害を与える可能性があります。
自社の意匠を守るためにも、他社の意匠を侵害しないためにも、日頃から注意を払い、適切な対策を講じることが重要です。
【次回予告】
次回は、「意匠登録と製品開発プロセスの融合」について解説します。意匠登録を製品開発の初期段階から考慮することで、どのようなメリットがあるのか、具体的な事例を交えてご紹介します。