実用新案第6回:実用新案技術評価請求とは?その必要性とタイミング
実用新案技術評価請求:あなたのアイデアをさらに強くする!
実用新案技術評価請求とは?
実用新案を取得したものの、「本当に自分のアイデアは守られているのか?」と不安に思っていませんか?そんな時に役立つのが「実用新案技術評価請求」です。
実用新案は、審査なしで簡単に取得できる一方で、その権利の有効性については、登録時点では保証されていません。そこで、特許庁に評価を依頼し、自分のアイデアが本当に新規性や進歩性を持っているのかを判断してもらうのが、技術評価請求です。
なぜ技術評価請求が必要なの?
1. 権利行使の根拠: 他社があなたのアイデアを盗用した場合、技術評価書は、あなたの権利が正当であることを証明する強力な証拠となります。
2. 無効審判への対策: 他社から無効審判を請求された場合、技術評価書は、あなたの権利を守るための盾となります。
3. ライセンス契約の信頼性向上: 技術評価書があると、ライセンス契約を検討している企業も、あなたのアイデアの価値をより確信し、安心して契約を進めることができます。
技術評価請求で得られるもの
技術評価請求を行うと、「技術評価書」が発行されます。この評価書には、あなたのアイデアが以下の基準を満たしているかどうかが記載されます。
• 新規性: 従来の技術にはない、新しいアイデアであるか
• 進歩性: 従来の技術から容易に想到できるものではないか
• 産業上の利用可能性: 実際に製品やサービスとして利用できるか
技術評価請求のメリット
• 権利の有効性の確認: 自分のアイデアが本当に保護されているのか、客観的に評価できます。
• 事業戦略の策定: 評価結果に基づいて、今後の事業戦略を立てることができます。
• 交渉力の強化: ライセンス契約や訴訟などで、交渉力を高めることができます。
いつ技術評価請求を行うべきか?
• 権利行使前: 他社とのトラブルに備えて、事前に評価しておくことがおすすめです。
• ライセンス契約前: ライセンス契約を結ぶ前に、評価書を提示することで、相手の信頼を得ることができます。
• 無効審判対応: 他社から無効審判を請求された場合、迅速に評価請求を行い、権利を守る必要があります。
技術評価請求の手続き
1. 請求書の提出: 所定の様式で請求書を作成し、特許庁に提出します。
2. 手数料の納付: 所定の手数料を納付します。特許庁の料金は42,000円+請求項の数×1,000円(2025年1月現在)
3. 審査: 特許庁の審査官が、あなたのアイデアを評価します。
4. 評価書の交付: 審査結果が記載された技術評価書が交付されます。
まとめ
実用新案技術評価請求は、あなたのアイデアをより確固たるものにするための重要な手続きです。特に、権利行使やライセンス契約を検討している場合は、必ず行うべきです。
中小企業の皆様へ
中小企業にとって、知的財産は貴重な資産です。実用新案技術評価請求は、その資産を最大限に活用するための第一歩と言えるでしょう。ぜひ、専門家にご相談の上、適切なタイミングで技術評価請求を行ってください。