実用新案第10回:実用新案の権利期間と維持管理の方法

実用新案権を有効に活用するための維持管理ガイド


実用新案権の維持管理、その重要性
 実用新案を取得しただけでは、その権利は永遠に続くわけではありません。権利を維持するためには、一定の手続きが必要になります。この記事では、実用新案権の権利期間や維持管理の方法について、中小企業経営者の方にも分かりやすく解説します。


実用新案権の権利期間
 実用新案権の権利期間は、出願日から10年間と定められています。特許に比べて短いため、権利期間中に最大限に活用することが重要です。


実用新案権の維持に必要な手続き
実用新案権を維持するためには、登録料の納付が必須です。登録料は、一定の期間ごとに納付する必要があります。
• 登録料の支払いスケジュール:
 o 第1期(1~3年目):出願時に一括納付
 o 第2期(4~6年目):毎年1回
 o 第3期(7~10年目):毎年1回
• 納付方法: オンラインまたは郵送
• 猶予期間: 猶予期間: 納付期限を過ぎても、6カ月以内に追加料金を納付すれば、権利は維持されます。この期間を経過しても納付期限から1年以内であれば回復できるばあいがあります。詳細は特許庁WEBサイトをご確認ください。

実用新案権の維持管理のポイント
• スケジュール管理: 登録料の納付期限を忘れないように、カレンダーや専用アプリを活用しましょう。
• 軽減措置の活用: 中小企業向けに、登録料を軽減する制度があります。
• 技術評価書の取得: 権利行使の際に、技術評価書が必要になる場合があります。
• 権利の見直し: 定期的に権利の見直しを行い、不要な権利は放棄しましょう。
• ライセンスや譲渡: 権利を活用する方法として、ライセンス供与や権利譲渡も検討しましょう。


実用新案権を有効活用するための戦略
• 市場の変化に対応: 市場環境の変化に合わせて、権利の維持や活用方法を見直しましょう。
• 競合他社の動向に注意: 競合他社の動きを注視し、自社の権利を適切に活用しましょう。
• 専門家への相談: 弁理士など、専門家に相談することで、より効果的な権利管理を行うことができます。


実用新案権の維持管理でよくある質問
• 登録料はいくらですか?
 o 登録料は、請求項の数や期間によって異なります。詳細については、特許庁のWEBサイトをご確認ください。
• 登録料の支払いを忘れてしまったらどうなりますか?
 o 納付期限を過ぎても、6カ月以内に追加料金を納付すれば、権利は維持されます。放置すると権利は納付期限に遡って消滅します。万一、権利が消滅しても納付期限から1年以内であれば回復できる場合があります。詳細は特許庁WEBサイトをご確認ください。至急、弁理士に相談することをお薦めします。
• 実用新案権を維持するのが難しい場合はどうすればよいですか?
o ライセンス供与や権利譲渡を検討しましょう。専門家にご相談ください。


まとめ
 実用新案権は、中小企業にとって貴重な知的財産です。権利を維持し、有効活用することで、ビジネスの成長に貢献することができます。本記事を参考に、自社の状況に合わせた適切な維持管理を行いましょう。

2025年02月07日